明日を約束できなくて 4
コイツのこの自信は一体どこから来るんだろう。
そしてこの透き通った瞳に私はどこまで見透かされてるんだろう。
私はあんたに“飽きっぽい所が嫌い”って言った。
でもあんたは“お前には飽きてねぇだろ”って言った。
根拠のない言葉なのはいつもの事。
そんな彼の言葉を信じてしまうのもいつもの事。
さっきまでの不安が一気に消えていくのは彼に言って欲しかった言葉を聞けたから?
本当は言って欲しかったんだ。
「釣りに飽きたからじゃなくてナミに会いに来たんだぞ」って。
「かくれんぼに飽きたんじゃなくてお前の顔が見たかったんだぞ」って。
興味を持った事に飽きたから私の所に来てくれるんじゃなくて、
好きだから、顔を見たいから来たんだぞって言って欲しかったんだ。
飽きたなんて二の次だったのかもしれない。
要は私を一番に考えて欲しかっただけなのかも。
次から次に好奇心を示す彼の心変わりが怖かった。
好きだと言ってくれる時間が幸せすぎて欲張りになってたの。
「お前には飽きないぞ」って言葉が聞ければそれだけで良かったのかもしれない。
…本当に重たい女だわ。
自分で自分にうんざりする。
どうしてここまで惚れちゃったんだろう。
好き、その気持ちで止まってくれれば良かったのに。
もう好きなんて次元じゃない。
大好きなんてレベルでもない。
心底、私は愛しちゃってる。
気付いてないでしょ?
こんなにあんたに惚れちゃってる私に。
あんたの声にしか反応しない心臓にだって気付いてないでしょ?
「何か嬉しいことあったのか?」
「どうして?」
「んー、嬉しそうだからだ!」
「あんたの笑顔がうつったのよ、きっと」
「ししっ!ナミの目の中におれが居る!」
「あんたが私の目覗き込んでるんだから当たり前じゃない」
「やっと見てくれたなーって思ったらおれはやっぱりナミが好きだって思ったぞ」
「…私は…もっと、スキよ」
「じゃおれはもっともっと好きだ!」
「対抗しなくていいわよ」
「男には負けちゃいけねぇ時があんだぞ」
愛してるなんて言わないわ。
まだまだ言ってやんない。
私ばっかり惚れ込んじゃってるなんて悔しいじゃない。
これから、
もっともっとイイ女になって愛してるって言わせてあげる。
手離したくないくらいイイ女になってやるんだから。
覚悟しといてよね。
未来の約束なんかいらないわ。
どうせ心変わりの激しいあんたが守ってくれる保証なんてどこにもないもの。
忘れっぽいあんたが覚えててくれる保証なんてどこにもないもの。
私が欲しいのは明日の約束。
だから彼の耳元で囁くの。
他の誰かに聞かれたら恥ずかしいから小さな声で。
彼にだけ聞こえてれば、それでいい。
「ルフィ」
「なんだ?」
「…明日も隣りに居てくれる?」
「おうっ!!」
今はこれで充分。
明日もあんたの側に居られるって約束。
あんたの腕の中が明日も私の特等席でありますように。
ゆっくりでいい。
私の気持ちはきっと一生変わらないものだから。
だからあんたが私を愛してるって言ってくれるその日まで秘密にしといてあげる。
私はあんたを愛してるんだってコト。
いつかそう言える日が来ますように。
この話は、ただ単にナミに「明日も隣りに居てくれる?」って言わせたかっただけです。
お付き合いくださり、ありがとうございましたっ!